オリジナルフレーバーと山田一郎(意訳:ヒプステ初日みたよ
※前半ネタバレなし、後半ネタバレあり
※この記事は山田一郎に対する凝り固まった解釈がある人間が書いています
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage –track.1-初日を観てきたぞ!!!
売れ残るローチケ!はちゃめちゃに枚数出てる公式トレード!!!あまりにも震えるシチュエーションに不安9割楽しみ1割くらいの気持ちで臨みました
物販
ネルケの興行、とうみゅしか行ったことないんですがめちゃめちゃ手慣れてる感じで素晴らしかったです。
ステラボールヒプマイライブ を1とすると50くらいです。スムーズ!レジ数多い!
ネタバレない程度の観るかどうか悩んでいる人へ一言
品質めちゃ高いショーなのでヒプマイ知ってる人は一回くらいみても損はないと思います。しかしキャラ解釈固まってる人は少し戸惑うかも。
以下めっちゃ行数開けてネタバレ感想します
ここからネタバレ
結論
「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」のステージとしてかなり品質の高いステージ。
ヒプノシスマイクは「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」と銘打った時から、他メディアミックス(CDドラマパート、コミカライズ、ゲーム)、そしてステージは等しく音楽の二次的創作物という立ち位置にしようとしているのかもしれないと感じた。(理由は後述
舞台美術
ここまでの舞台美術は2.5舞台ではあまり目にすることはない、というくらいかなり豪華なセット。
セットだけではなく、プロジェクションマッピングを多用するなどかなり演出にも力を入れていた。
他の方のnoteにも書いてあったが、舞台、ミュージカルというよりはショー、ジャニーズのライブに通じるものを感じた。
今まで観た舞台やライブと合わせて一番類似した雰囲気を感じたのは、今年のアイドリッシュセブンのライブと劇団四季のウィキッドあたり。
チケット料金との比較を考えると、グッズを省いて10000円〜12000円くらいでも出せると感じた。
脚本
ヒプノシスマイクの世界観設定の詰めのところや脚本、シナリオの運び方、コミカライズの展開などシナリオ面に関しては品質は低い印象である。
(しかしながら、世界観設定の大枠に関してはかなり引きが強く、上手いと感じる。これはシナリオ担当氏が執筆したライトノベルにも言える)
ヒプノシスマイクを題材にする脚本を作るということはいかにマイナス面をうまく調理して提供できるか、というところに尽きると思う。
別途後述するが、ヒプノシスマイクの看板である山田一郎というキャラクターはパーソナリティが掴みづらく個性を表現しづらい。今回の興行でもヨコハマの三人は扱いやすく、山田一郎をどう扱うかに苦心していたように思える。
そこを、ステージならではの、音楽原作キャラクターラッププロジェクトの二次的創作としてオリジナルフレーバーを加えることで打破し、また、ステージでの山田一郎を表現していた印象だ。
山田一郎というキャラクター
元【The Dirty Dawg】メンバー。
山田家長男。
萬屋ヤマダの経営者。
かつてはイケブクロでは名を知らない者がいないほどの不良だった。
情に厚く、困っている者は見捨てられない正義漢。
兄弟思いで面倒見が良いため、誰からも慕われている。
アニメ鑑賞が好きで、ラノベは新刊を全て読み漁るほどのオタク。
ヨコハマ・ディビジョンの碧棺左馬刻とは犬猿の仲。
以上、公式サイトより引用
https://hypnosismic.com/character/ikebukuro/mc_bb/
上記から汲み取れる山田一郎と、実際のCDドラマパート、コミカライズで表現されている山田一郎とは乖離がある。
まずオタクであること、プロフィールに書かれてはいるが正直そこまでキャラクター性にオタクであることは活かされてはいない。
CDドラマパートやコミカライズでラノベを読んだりアニメを見たり、部屋にフィギュアを飾ってはいるが、それが本人の性格や行動原理にかかっているように思えない。
つまり、オタクである、という設定はなくても山田一郎は成立するのである。
一方、原作とされる楽曲の方ではアニメやマンガなどを想起させるリリックは存在している。
みなさんは「人情の厚い正義感」という言葉を聞いて、どのような人格を思い浮かべるだろうか。
熱く、人の過ちを正すために奮闘する姿だろうか?もしくは正義のヒーローのように正道を進む人間であろうか。
CDドラマパートでの木村昴氏の演技、そしてコミカライズでの山田一郎の表情は上記のようなベーシックな「正義漢」とはイコールではない。
木村昴氏が演じる山田一郎は、感情の起伏はそこまで激しくなく、どこか耐えて忍んでいるような印象すらある。また、コミカライズでの山田一郎も表情の変化は大きくなく、頼れる兄貴をベースに基本クールで聡明な印象だ。過去編のコミカライズに至っては表情に乏しく、野良猫のような警戒を常にしている。
総じて、感情表現が乏しい、もしくは小さい。
昼と夜であれば夕方、正義と悪であればニュートラル、動と静であってもニュートラル。山田一郎の個性は、非常に、掴みづらい。
彼は正義のために動いてはいない。彼の信念や行動が、客観的に見て正義と呼ばれる行動に近いだけである。コミカライズでの過去の彼の行動から偽善とよばれることもあるが、彼にとっては信念に沿って動いているだけで正義のために動いているわけではないのかもしれない。
ステージでの山田一郎
そんな中、ステージ上の山田一郎はかなりわかりやすいキャラクターとして存在していた。
まさに、公式サイトのプロフィールから受ける印象のキャラクター。友達を見捨てない、兄貴として時には声を荒げてしかることもある、大きな口を開けて笑う、感情表現が豊かな、己の正義を信じる青年だ。
私の知っている、感じている山田一郎とはイコールではないが、彼もまた、音楽原作キャラクターラッププロジェクト ヒプノシスマイクから生まれた山田一郎なのだと感じた。
親は同じだが、経緯がちがうのだ。
特に、山田一郎の幼馴染というオリジナルキャラクターが登場したことで強く、それを感じた。
脚本の展開上とはいえ、新たな設定である。多分ステージ上のみの、オリジナルフレーバーだろう。山田一郎と碧棺左馬刻の確執もそうだ。CDドラマパートおよびコミカライズの山田一郎は、碧棺左馬刻を絶対に倒さなくてはいけない、という言動をしたことはない。あくまで、許せない、という感情である。山田一郎の目的は彼を倒すことではなく、その先にあるような描写がいくつかあった。
それがステージの山田一郎は、打倒碧棺左馬刻、と、必ず倒さなくてはいけない相手として執着をしている。
今までのメディアミックスを公式設定と考えるとあまりにも乖離しているため、ゲーム含め、もはやシナリオのつくものすべては音楽原作から派生したものとして扱うのかもしれない、と思った箇所でもある
総括
新たなフレーバーのヒプノシスマイク、そして山田一郎、正直今後も追っていきたいと思うほど、刺激的なステージでした。
脚本は多少粗はあると感じたが、このステージのメインではなく、ステージを楽しむための一要素としてしっかりと役割を果たしていたと感じました。
でもまあ、18000円はやっぱつれえわ!!!!!!!!!!!!!
追いチケは一枚が限度